新大学評判記 第55話
筑波大学マレーシア校 展望なき「周回遅れ」の海外進出
2024年7月号
日本の大学で日本の学位を授与する初の海外分校となる筑波大学マレーシア校「学際サイエンス・デザイン専門学群」が9月にクアラルンプールに開校する。データサイエンスを中心に学び、問題解決型学習、さらに日本文化などの講義も展開するという。1980年代にマレーシアで一世を風靡した「日本に学ぼう」という「ルックイースト」政策が突然、蘇った感が深い。日本に留学すれば済むものを海外分校にして権益を拡大しようという日本の大学のグローバル戦略の貧しさも合わせて浮かび上がってくる。
海外にキャンパスを持つ日本の大学は日本大学の豪州ニューキャッスル校、東海大学ハワイ校、豊田工業大学シカゴ校や天理大学ニューヨーク校・パリ校、同志社大学EUキャンパス(ドイツ)など決して珍しくはない。だが、いずれも日本人学生の留学のための出先で、現地の学生に日本の大学教育を実施する目的ではない。筑波大のマレーシア校はマレーシア人に英語、日本語と一部、現地のマレー語で日本の大学のカリキュラムを教える点で画期的といえる。
お粗末な設立のきっかけ
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海外にキャンパスを持つ日本の大学は日本大学の豪州ニューキャッスル校、東海大学ハワイ校、豊田工業大学シカゴ校や天理大学ニューヨーク校・パリ校、同志社大学EUキャンパス(ドイツ)など決して珍しくはない。だが、いずれも日本人学生の留学のための出先で、現地の学生に日本の大学教育を実施する目的ではない。筑波大のマレーシア校はマレーシア人に英語、日本語と一部、現地のマレー語で日本の大学のカリキュラムを教える点で画期的といえる。
お粗末な設立のきっかけ
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