香港のアクティビスト・ファンドであるオアシス・マネジメントの圧力を受けて、ドラッグストア大手のツルハホールディングスがイオン傘下の最大手ウエルシアホールディングスと経営統合することで合意したのは記憶に新しい。このアクティビスト主導の再編劇が、ドラッグストア業界だけでなく調剤薬局業界でも再び繰り広げられようとしている。
「いったい誰が対象なんだ？」
　6月4日、調剤薬局最大手のアインホールディングスが、オアシスから株主提案を受けたと発表した。中身は「取締役2名解任の件」と「取締役4名選任の件」など四つの議題だという。アインはそれ以上、中身を明らかにしなかったため、業界は騒然となった。
　札幌市に本社を置くアインは、事実上の創業者でもある大谷喜一社長のワンマン体制。北海道生まれで北海高校を卒業後、日本大学薬学科を出て薬剤師となった大谷氏が、Ｍ＆Ａを駆使して一代で築き上げた。オアシスは独裁体制に異を唱えたのかと思いきや、大谷社長に近い人物は「解任対象は俺じゃない」と本人が話すのを聞いたという。
　解任を求められているのは社外取締役のようだ。そしてオア・・・