空念仏の東京電力「再建計画」
福島を忘れた経産省の大罪
2024年7月号
事故の弁済が完了する日は、本当に訪れるのだろうか。経済産業省は6月、東京電力ホールディングスの再建計画を見直す作業に着手した。再建計画を作り直すのはこれで五度目だが、膨らむ一方の福島第一原子力発電所事故費用に対して、東電の収益力は一向に上がってこない。再建失敗を糊塗するためだけの計画改定が、またもや行われようとしている。
東電再建のための第一次計画が認定されたのは2011年11月。第一次計画での賠償見積額は1兆109億円だったが、その後、計画が改定されるたびに額は上がっていった。現在の再建計画における賠償見積額は7兆9千億円だが、これが事故避難者への追加賠償や処理水海洋放出の賠償で9兆2千億円に増える。
東電だけでは支払えないため、必要な費用は交付国債を発行して国が東電に貸し付けている。これには除染や中間貯蔵が含まれ、現在の再建計画における貸し付け上限は13兆5千億円に設定されている。ところが、前述の追加賠償などの費用をはじめ、中間貯蔵の費用も上振れしたことから、東電への貸し付け上限を15兆4千億円に引き上げざるを得なくなった。
問題は、事故費用の・・・
東電再建のための第一次計画が認定されたのは2011年11月。第一次計画での賠償見積額は1兆109億円だったが、その後、計画が改定されるたびに額は上がっていった。現在の再建計画における賠償見積額は7兆9千億円だが、これが事故避難者への追加賠償や処理水海洋放出の賠償で9兆2千億円に増える。
東電だけでは支払えないため、必要な費用は交付国債を発行して国が東電に貸し付けている。これには除染や中間貯蔵が含まれ、現在の再建計画における貸し付け上限は13兆5千億円に設定されている。ところが、前述の追加賠償などの費用をはじめ、中間貯蔵の費用も上振れしたことから、東電への貸し付け上限を15兆4千億円に引き上げざるを得なくなった。
問題は、事故費用の・・・