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経済

トヨタこそ不正の「総本家」

会長居座り「章男」に反省皆無

2024年7月号

「カンニングが見つかった後で、『不正をしなくても合格できた』と証明しても無意味だ」
 トヨタ自動車の社員の一人はこう自嘲する。1月に発覚したグループ会社での型式指定認証試験不正に続き、6月にはトヨタ本体でも同様の悪事が行われていたことが露呈した。国土交通省によって、データ改竄の事実などが発表されて以降、トヨタはとにかく事態を矮小化しようと躍起になった。実態は、メディアで報道されている以上に悪質だ。

情報を事前リークした「疑惑」

「ブルータス、お前もか」
 6月3日に行われたトヨタの会見に出席した豊田章男会長は、今回の問題についての感想を問われてこう答えた。「これを聞いたトヨタの技術陣の間では『自分たちは裏切り者なのか』という失望が広がっている」(自動車業界紙記者)という。
 会見で豊田氏は「認証制度の根底を揺るがす行為で、自動車メーカーとしては絶対にあってはならないこと」と述べた。しかし一方で同氏は、「私が言える立場にはないが」と断った上で、型式認証制度にも問題があると疑問を呈し・・・

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