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政治

《罪深きは この官僚》久保田秀暢 国土交通省物流・自動車局次長

安全より 「トヨタ優遇」の追従者

2024年7月号

 自動車メーカー各社で発覚した一連の型式認証試験不正問題では、国土交通省の監督責任についての議論が抜け落ちている。
 1月にダイハツ工業などトヨタグループ3社で発覚した不正を受け、国交省はメーカーに対して全車種再調査を行い、4月中に報告書を提出するよう命じていた。しかし各社から時間が足りないとの声が上がり、「ゴールデンウィーク明けに一カ月延長された」(業界関係者)。当然、5月末が締め切りになるが、メーカー側は連休明けから1カ月、つまり6月上旬を主張。「中でも遅れていたのが車種の多いトヨタ自動車」(同前)といい、途中から同社は「7月末までの延長を要望してきた」(同)。
 国交省側は、流石にこれは認めなかったが、トヨタについては未調査車種が残ることを容認。つまりトヨタはいまだに調査途中で、「今後、新たな不正が発覚する可能性さえある」(同前)のだ。
 トヨタに甘いこの決済をしたのが、物流・自動車局の次長、久保田秀暢である。旧自動車局時代から次長は技官の指定席。久保田も京都大学大学院工学研究科出身の技官で、近畿運輸局の自動車技術安全部長などを経て昨年7月に事実上の・・・

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