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露朝が目指す「枢軸経済圏」

中国巻き込む「コメコン復活」の成否

2024年7月号

 北朝鮮はコメコン体制の復活を夢見ている。ロシアのプーチン大統領が6月、24年ぶりに北朝鮮を訪問し、金正恩総書記とともにロ朝包括的戦略パートナーシップ条約に署名した。有事の際の相互軍事支援を義務付けた内容にマスコミの関心が集中したが、北朝鮮の狙いは別にある。
 条約が義務付けたのは軍事支援であり、自動参戦条項ではないからだ。日本政府の元高官は「ロシアはウクライナへの米欧の支援を牽制したいだけだ。北朝鮮の火遊びに付き合って、ロシアの国力が削がれたら元も子もない」と語る。
 ただ、条約にはロシアと北朝鮮双方に利益をもたらす内容が含まれていた。第10条はこう記した。「双方は、貿易、経済、投資、科学技術の分野における協力の拡大と発展を促進する」。プーチン氏は訪朝直前、労働新聞への寄稿文で「西側の統制を受けない貿易・相互決済体系を発展させる」と約束した。まさにコメコン体制の復活宣言だ。

貿易額は前年の九倍に

 日本貿易振興機構(ジェトロ)などの資料によると、ソ連崩壊直前の1990年、北朝鮮とソ連の貿・・・

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