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「西欧分断」を煽るイスラム過激派

パリ五輪は無事で済むか

2024年7月号

 ISやアルカイダがかつてヨーロッパを震撼させた過激派だったのは、もはや過去の話だ。とはいえ、テロの脅威が一時的に収まっているように見えるのは幻想に過ぎない。実際には、イスラム過激派は巧妙に戦略を変え、ヨーロッパ社会の内部からその社会構造を蝕み続けている。
 ドイツ当局者によると、イスラム主義者たちはここ数年で動きを急速に活発化させ、もはやモスクでの説教に頼ることはなくなっている。彼らは代わりに非営利団体や慈善団体を巧みに利用し、ひそかにその影響力を拡大している。ドイツの慈善団体「アンサール・インターナショナル」は、ウェブサイト上で病院や孤児院の建設を謳い、2018年だけでも約80億円の寄付金を集めたようだ。しかし、ドイツ内務省はこの団体がパレスチナの「ハマス」やシリアの「ヌスラ戦線」、ソマリアの「アル・シャバブ」などのテロ組織に資金提供をしているとみており、ドイツ政府は、同団体の禁止措置を発出した。
 ドイツ警察関係者は警鐘を鳴らす。「このような団体はヨーロッパで増加している。彼らの活動は一見慈善事業に見えるが、実際にはテロ集団への資金援助やテロリストの募集を容易・・・

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