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ベネズエラに「民主化」の日は来るか

大統領選で窮地の「独裁者」

2024年7月号

 南米の産油国ベネズエラで、4半世紀にわたる反米左派政権の独裁に終止符が打たれ、民主派が勝利する可能性が浮上している。7月28日に実施される大統領選は、3期目を狙う与党・統一社会党(PSUV)のニコラス・マドゥロ大統領(61)と主要野党連合・民主統一プラットフォーム(PUD)の元外交官エドムンド・ゴンサレス氏(74)の事実上の一騎打ち。各世論調査では、ゴンサレス氏がおおむね50%以上の支持を得ており、20%強のマドゥロ氏を大きく引き離している。ゴンサレス氏が94%、マドゥロ氏が4%という最新調査さえある。国民は破綻した政治・経済・社会システムに倦んでおり、もしシナリオ通りに票が出れば来年1月、西側諸国が言うところの「民主政治」が復活する。
 ただ、苛烈な反体制派弾圧で人権を侵害し、大統領の座から降りれば国内外で重罪に問われることが確実なマドゥロ氏が、敗北を甘んじて受けるとは考えにくい。三権を完全掌握する同氏は選挙を前に露骨な不正・妨害工作を行っており、政権交代どころか、まともな選挙さえ行われないとみられる。

選挙不正のデパート・・・

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