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欧州とロシアで広がる「闇の戦争」

双方で多発「破壊工作」の応酬

2024年7月号

 泥沼化するロシア・ウクライナ戦争は、双方の破壊活動がウクライナ域内を超えて、欧州各地やロシア国内に飛び火する展開となってきた。
 4月以降、欧州各地で頻発する火災は、ロシアの犯行という見方が強まった。ロシア各地でも謎の爆発や火災が続発しており、ウクライナ軍のドローン攻撃に加え、潜伏するパルチザンが実行している可能性がある。6月23日、死者20人を出した南部ダゲスタン共和国のテロも、社会不安をさらに高めた。双方の「闇の戦争」が拡散し、危険な段階に入った。
 4月以降、欧州では原因不明の大規模火災が相次いだ。デンマークのコペンハーゲンでは、多国籍製薬会社の本社や旧証券取引所ビルで火災が発生した。ポーランドの首都ワルシャワでは、1400店舗が入るショッピングセンターが大火災でほぼ全焼した。未明の出火で犠牲者はなかったが、ポーランドでは今年に入って放火事件が頻発しており、警察はロシアの指示で破壊工作に関与したとみられる18人を逮捕した。リトアニアの首都ビリニュスの大型家具店「イケア」の倉庫も全焼した。

背後で蠢くGRU・・・