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ロシア正教会「聖戦宣言」の狂気

宗教依存が進むプーチンと郎党

2024年7月号

 ロシアのウラジーミル・プーチン政権でロシア正教会のイデオロギーの影響力が強まっている。正教会のトップ、総主教キリルはウクライナ侵略を「聖戦」と位置づけ、有力政治家やオリガルヒ(新興財閥)も正教とのつながりを深めている。プーチン政権の先行きを占ううえでも、宗教要因を注視する必要がある。
 ロシアの独立系調査報道メディア「プロエクト」が5月、黒海沿岸の保養地に位置する、敷地1万7,000平方メートルの「プーチンの宮殿」の改装事業を暴露した。宮殿はもともと、今年2月に獄中死した反体制指導者アレクセイ・ナワリヌイの告発により2021年に存在が明らかになった。推定1千億ルーブルの建設費がつぎ込まれ、カジノやストリップショーのための部屋まであった。
 ところが、今回の改修により、それらは姿を消し、新たに室内教会が建設され、多数のイコンや戦争絵画で装飾されていた。教会に掲げられたイコンは、聖母マリア、イエス・キリストに加え、ウクライナの地に成立したキーウ公国の大公で、キリスト教を国教としたヴォロディムィル(ロシア名はウラジーミル)が描かれている。
「彼(プーチン)は数・・・