総選挙は来年へ
処置無しな岸田「居座り延命術」
2024年6月号
中国南北朝時代の『兵法三十六計』にある「走為上」(逃げるにしかず)の深掘りか、誤った理解なのか、総理大臣・岸田文雄が難局でとる態度は不可解だ。自由民主党総裁として臨んだ4月の衆議院の3補欠選挙の2つを不戦敗にし、5月26日投開票の静岡県知事選挙でも「負け馬」に乗った。それでも「岸田降ろし」の気配はない。負けるほどに政権が延命される不思議な政局を前に、「総選挙は2025年」とする予想が、自民党内では増殖している。
どれだけ負けてもくじけない岸田を支えているのは「天然の鈍感力」だとの見方が専らではあるものの、さすがに最近は「岸田は意図的に『負け』を仕掛けている」と疑う声が出始めている。
例えば、自民党が候補擁立を見送った4月の衆議院東京15区と同長崎3区の補選について、党執行部の一人は「東京は候補が乱立し、長崎は立憲民主党と日本維新の会の一騎打ちだった。自民党が候補を立てれば、勝機は十分にあった」と振り返る。両補選の対決構図は告示前から見えていたのだから、岸田や幹事長の茂木敏充が候補を立てなかったのは「『勝たない方が得策』と考えたとしか思えない」というわけだ。{b・・・
どれだけ負けてもくじけない岸田を支えているのは「天然の鈍感力」だとの見方が専らではあるものの、さすがに最近は「岸田は意図的に『負け』を仕掛けている」と疑う声が出始めている。
例えば、自民党が候補擁立を見送った4月の衆議院東京15区と同長崎3区の補選について、党執行部の一人は「東京は候補が乱立し、長崎は立憲民主党と日本維新の会の一騎打ちだった。自民党が候補を立てれば、勝機は十分にあった」と振り返る。両補選の対決構図は告示前から見えていたのだから、岸田や幹事長の茂木敏充が候補を立てなかったのは「『勝たない方が得策』と考えたとしか思えない」というわけだ。{b・・・