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社会・文化

モサドは日本で何をしているか

「ユダヤ人保護」で秘かな跳梁

2024年6月号

 5月19日、イランのエブラヒム・ライシ大統領らを乗せたヘリコプターが、アゼルバイジャン国境近くの山岳地帯に墜落し、大統領が死亡する事故が発生した。
 このニュースが世界を駆け巡ると、SNSなどではさまざまな憶測や陰謀論が飛び交っている。その中でも目立つのは、イスラエルのモサド(諜報特務庁)が大統領らを「暗殺」したというものだ。
 もっとも、モサドはこれまで天敵であるイラン関係者をはじめ、世界各地でスパイ工作を繰り返してきた過去があるため、今回も関与していると取り沙汰されるのは自業自得だろう。そうした背景もあって、モサドは世界で最も恐れられるスパイ機関として知られてきた。ただ、その活動の実態は謎に包まれている。
 あまり知られていないが、モサドは日本でも活動を行っている。警察庁関係者は、「モサドの機関員は、日本には常駐していない」と言うが、「必要に応じて頻繁に来日している」と暴露する。

幅広く「協力者」を運用

 モサドは、イスラエル独立の翌年の1949年に設立されたスパイ機関だ。・・・