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経済

物流企業「買収合戦」が花盛り

業界大再編を巡る悲劇と喜劇

2024年6月号

 食うか食われるか。文字通り、壮絶な弱肉強食の再編の嵐が物流業界で吹き荒れ始めた。同意なき買収による争奪戦、売りに出た大企業物流部門の争奪戦、そして買収される前に株式市場から逃亡しようとする企業まで。今から1年後の業界地図は様変わりしているに違いないと思わせる地殻変動が起こっている。

三菱電機ロジで「誤報」も

 5月17日、佐川急便を傘下に持つSGホールディングスが、C&Fロジホールディングスの買収に乗り出すと日本経済新聞電子版が報じた。C&Fにはアマゾンジャパンの配送で急成長したAZ-COM丸和ホールディングスが、同意なきTOB(株式公開買い付け)を実施中だ。SGは、C&Fの意を受けた事実上のホワイトナイトとみられる。SGとAZ-COM丸和によるC&F争奪戦の幕開けだ。
 AZ-COM丸和は2022年秋からC&Fに経営統合という名の買収案を持ちかけていたが、C&Fはひたすら逃げ回っていた。AZ-COM丸和の和佐見勝社長は、中卒のたたき上げの商売人。1973年に丸和運輸機関を設立し、カリスマ経営者と・・・