《クローズ・アップ》前田 義晃(NTTドコモ新社長)
澤田が抜擢「非生え抜き」の正体
2024年6月号
その一報を聞いた誰もが息を呑んだ。大方の予想を覆してNTTドコモの新社長に決まったのが副社長、前田義晃だったからだ。
「NTTグループ初の生え抜きではないトップ」「リクルート出身の54歳」「保守本流の通信事業の経験がない」……。話題を集めたのはこれだけが理由ではない。もう1人、前田と同じ副社長で、早くから「将来のNTT社長候補」といわれてきた9歳年上の栗山浩樹がいたからだ。
決定を下したのはNTTの澤田純会長だった。頭が切れて如才ないエリートの栗山と、たたき上げでコンテンツビジネスの成果を積み上げてきた前田の経営ビジョンを聞いた澤田が前田を選んだという。この人事を知った栗山は荒れたらしい。NTTグループ会社への転身のオファーを蹴って自らグローバル事業会社「NTTドコモ・グローバル」の設立を立案。ごり押しで自ら社長就任を決めた。
一方、とんとん拍子で社長の椅子を手にした前田だが、前途は決して洋々としているわけではない。
ドコモとNECは4月に共同出資でグローバル市場向け新会社「OREX SAI」を設立しており、・・・
「NTTグループ初の生え抜きではないトップ」「リクルート出身の54歳」「保守本流の通信事業の経験がない」……。話題を集めたのはこれだけが理由ではない。もう1人、前田と同じ副社長で、早くから「将来のNTT社長候補」といわれてきた9歳年上の栗山浩樹がいたからだ。
決定を下したのはNTTの澤田純会長だった。頭が切れて如才ないエリートの栗山と、たたき上げでコンテンツビジネスの成果を積み上げてきた前田の経営ビジョンを聞いた澤田が前田を選んだという。この人事を知った栗山は荒れたらしい。NTTグループ会社への転身のオファーを蹴って自らグローバル事業会社「NTTドコモ・グローバル」の設立を立案。ごり押しで自ら社長就任を決めた。
一方、とんとん拍子で社長の椅子を手にした前田だが、前途は決して洋々としているわけではない。
ドコモとNECは4月に共同出資でグローバル市場向け新会社「OREX SAI」を設立しており、・・・