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社会・文化

AI時代の致命傷 「電力不足」

日本「後進国化」の最大要因

2024年5月号

 人工知能(AI)の利用が加速度的に広がっている。総務省によると、日本のAIシステム市場規模は2022年に3,883億円となり、前年比35%増の大幅な伸びとなった。AI市場の成長はとどまるところを知らず、27年には1兆1034四億円と三倍近く拡大する見込みだが、この流れに水を差しているのが、電力不足への懸念である。
 AIの利用には、膨大なデータ処理と高度な計算を行うGPUが必要であり、それを収納するデータセンターを増やさなければならない。GPUは大量の電力を消費し、それによる熱を冷ますための冷却用としてさらに電気を使う。AIがユーザーベースで急拡大する一方、歪みが生じているのがこのAIの根の部分ともいえる、データセンター側である。
 経済産業省が専門家会議に示した試算では、25年度以降、データセンターと半導体工場は、最大電力需要ベースで年45万キロワットずつ増加していく。30年度までに追加で建設されるデータセンターと半導体工場の最大電力需要は482万キロワット。このうち8割の385万キロワットをデータセンターが占める。
 385万キロワットは、およそ原子・・・