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政治

「補選後政局」岸田の魂胆

「解散戦略」どの道を選ぶか

2024年5月号

いつか見た光景が、また繰り返されている。昨年のG7広島サミット(主要七カ国首脳会議)後や、昨秋の臨時国会前に「解散風」が吹き荒れた時と同様、五月以降の政局をめぐり、自由民主党幹部の間で衆議院解散総選挙の時期に関する意見がまたも二極化していることだ。党総裁で総理大臣の岸田文雄の「予測不能性」も、今後の展開を不透明にしている。
早期解散論者は相変わらず、自民党総務会長の森山裕である。
「どうやら、総選挙は六月になりそうだ。総理はやる気だ」
四月に岸田が国賓待遇で訪米した際の日米首脳会談を「成功」とする論調や世論の多さに、森山は確信ありげにつぶやいた。
振り返れば、広島サミット直後、あるいは自民党の派閥による政治資金パーティーを使った裏金づくりの問題が火を噴く前に、当時の森山の進言通りに解散総選挙に踏み切っていれば、岸田政権にはまだ余力が残っていただろう。
森山は、裏金づくりの問題で自民党議員や派閥の会計責任者が逮捕されたり、略式起訴されたりした後も、党として派閥解散や政治資金規正法違反の疑いがある議員の処分を決めた後に内閣改造・党役員人事を・・・