三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

小池百合子はどう「延命」するか

「空疎な女帝」が頼る意外な男

2024年5月号

自民党の二階俊博元幹事長は、派閥の政治資金パーティー裏金問題の責任を取って次期衆院選への不出馬を表明した3月25日の夜、党本部近くのホテルで小池百合子東京都知事と会っていた。個室で弁当を食べながらの密談。同席した二階氏側近の林幹雄元幹事長代理が小池氏に迫った。
「4月の衆院東京15区補選に小池さん、あなた出なさいよ。その気はあるんでしょ」
もちろん二階氏の意を体して、出るなら我々が全面的に支援する、当選したら速やかな自民党復帰も手引きする、一気に「ポスト岸田文雄」の総裁を取りに行こう、と呼びかけたのだ。
2020年8月、新型コロナウイルス対策の渦中に安倍晋三首相が体調を理由に辞任。すでに6月から二階氏は、当時の菅義偉官房長官に「次はあなたしかいない。決心したら全面的に応援する」と促し、菅氏圧勝のレールを敷いて幹事長続投を勝ち取った。あれから4年。柳の下のドジョウを狙ったわけだ。不出馬表明で気落ちするどころか、直ちに巻き返しへ動く85歳とは思えない闘志に驚かされるが、小池氏は丁重に補選不出馬を伝え、「小池都政の継続」を理由に挙げた。
「私の仕事を継・・・