経済安保情報法案の危うい盲点
国会議員「除外規定」でザル法に
2024年4月号
今の国会で議論されている注目法案のひとつに「重要経済安保情報保護・活用法案」がある。通称、セキュリティ・クリアランス(適格性評価)法案と呼ばれ、これまで特定秘密保護法などで公務員などに防衛や外交の機微情報に触れる資格を与えていた仕組みを、経済安全保障分野にも広げ、民間の関係者にも適格性評価を実施するという法案だ。
先端技術で国家間の共同開発やビジネスが拡大する昨今、世界中で広範囲なスパイ工作を強化している中国などへの対応が不可欠になっている。適格性評価では申請者の個人情報から精神衛生や飲酒習慣、経済的な信用、外国人との付き合いまで調査されることになる。このため、一部でプライバシー侵害と批判する声も上がっている。だがこれまで主要七カ国(G7)で唯一、日本だけがもっていなかった幅広い適格性評価システムの法制化は不可避であろう。
ところが、今回の法案には重大な盲点が存在する。機微情報を扱うのに、例外的に適格性評価を受ける必要がない人たちを明記する同法案の第十一条だ。例外とされるのは、行政機関の長、国務大臣、副大臣、大臣政務官、内閣官房副長官、内閣総理大臣補佐官などで・・・
先端技術で国家間の共同開発やビジネスが拡大する昨今、世界中で広範囲なスパイ工作を強化している中国などへの対応が不可欠になっている。適格性評価では申請者の個人情報から精神衛生や飲酒習慣、経済的な信用、外国人との付き合いまで調査されることになる。このため、一部でプライバシー侵害と批判する声も上がっている。だがこれまで主要七カ国(G7)で唯一、日本だけがもっていなかった幅広い適格性評価システムの法制化は不可避であろう。
ところが、今回の法案には重大な盲点が存在する。機微情報を扱うのに、例外的に適格性評価を受ける必要がない人たちを明記する同法案の第十一条だ。例外とされるのは、行政機関の長、国務大臣、副大臣、大臣政務官、内閣官房副長官、内閣総理大臣補佐官などで・・・