《罪深きはこの官僚》山野 謙(総務省自治行政局長)
菅義偉の「寵臣」が壊す地方分権
2024年4月号
地方分権を破壊しかねない法案の成立が刻一刻と近づいているが、国会の報道といえば、もはや食傷気味の裏ガネ問題ばかり。そうこうする内に、二月二十九日に地方自治法改正案が閣議決定された。昨年、俄かに浮上したこの法案改正を推し進めているのが、総務省自治行政局長の山野謙である。
改正案の最大の懸案は、国による地方への「指示権拡大」だ。新型コロナ禍の初期、感染対策や患者の移送などを巡って、国の権限が規定されておらず、混乱が生じた。これを解決するために持ち出したのが、国による地方への介入ともいうべき指示権の拡大なのだ。
今回の法案は、昨年十二月に地方制度調査会が出した答申に基づくもの。同調査会で議論が進められていた昨年十一月、衆議院の総務委員会で立憲民主党議員が質問に立った。
この時点で指示権拡大が検討されていたのは「非平時」の状況だった。大規模災害発生時や感染症の蔓延時が想定されていたが、曖昧な部分があるため立憲の議員は「想定以外」の事態について例示を求めた。この質問の答弁に立った山野は、想定外のケースについて回答するのは「困難」と言い放ったのだ。総務省担当記・・・
改正案の最大の懸案は、国による地方への「指示権拡大」だ。新型コロナ禍の初期、感染対策や患者の移送などを巡って、国の権限が規定されておらず、混乱が生じた。これを解決するために持ち出したのが、国による地方への介入ともいうべき指示権の拡大なのだ。
今回の法案は、昨年十二月に地方制度調査会が出した答申に基づくもの。同調査会で議論が進められていた昨年十一月、衆議院の総務委員会で立憲民主党議員が質問に立った。
この時点で指示権拡大が検討されていたのは「非平時」の状況だった。大規模災害発生時や感染症の蔓延時が想定されていたが、曖昧な部分があるため立憲の議員は「想定以外」の事態について例示を求めた。この質問の答弁に立った山野は、想定外のケースについて回答するのは「困難」と言い放ったのだ。総務省担当記・・・