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政治

官邸漂流「栗生官房副長官」の大罪

霞が関を統率できない「小役人」

2024年4月号

 戦後日本政治では、事務方の内閣官房副長官の善し悪しが、政権の命運を握ってきた。
 首相官邸のトップファイブは、ボスの首相と女房役の官房長官、それに三人の官房副長官だが、中でも事務方の官房副長官は、官僚の最上位に位置する。
 かつては、石原信雄、古川貞二郎といった大物官僚が霞が関ににらみを利かせ、石原なぞは「影の首相」と呼ばれていた。前任の杉田和博も首相だった安倍晋三の意向を全省庁に知らしめていた。
 だが、岸田文雄政権では官邸のガバナンス(統治)がまったく効いていない。官房副長官の栗生俊一が、機能していないのだ。

悪評だらけの「マロン人事」

 彼は、筑波大学附属駒場中学・高校から東京大学法学部に進学し、昭和五十六(一九八一)年、警察庁に入った。警察庁では刑事局長など刑事畑を歩んだが、「歯に衣着せぬ言動と、上から目線の態度が幹部から嫌われていた」(警察庁OB)。ただ、多くの警察官僚が当時、政治と距離を置こうとする中、政治家の懐に飛び込める人材として存在感を発揮。国会対応を担う総括・・・