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五期目プーチンの次なる「侵略計画」

ベラルーシ併合「大スラブ圏」の野望

2024年4月号

 ロシアのプーチン大統領は三月十七日開票の大統領選で八七%超の得票率で圧勝した。政府機関や国営企業を総動員し、監視の困難なオンライン投票を導入するなど、なりふり構わぬ不正選挙で、選挙監視団体ゴロスは過去最大の二千二百万票が上乗せされたと非難した。選挙を装った茶番劇ながら、プーチンは国民の圧倒的信任を錦の御旗に、「新たなサプライズに出る」(英紙インディペンデント)とみられる。
 だが、モスクワ北西のコンサートホールが二十二日、武装集団に襲撃され、三百人以上が死傷する大型テロが発生。国内に衝撃が走った。過激派「イスラム国」系組織の犯行とみられ、祝賀ムードは消滅した。ロシア情報機関は反体制派弾圧が得意でも、テロ対策は苦手だ。プーチンは米政府からテロ警報を受けながら、「社会を不安定化させる偽情報」と却下していたことも判明した。面子を失ったプーチンは屈辱を晴らすべく、次の五期目もウクライナ攻撃強化など暴走を続けるだろう。
 五期目を占う上で、昨年二月以降に流出したクレムリン内部文書が参考になる。これは、ウクライナ戦争に反対するロシア政府高官がリークしたとされ、欧米の国際ジャー・・・