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欧州が描くウクライナ戦争「凍結」

膨張する「支援反対」への焦燥

2024年4月号

 三月の大統領選に「勝利」したロシアのウラジーミル・プーチンがウクライナに対して新たな大規模攻撃を仕掛けるとの見方が強まっている。アメリカ下院での対立により同国のウクライナへの軍事支援の予算は枯渇しており、ヨーロッパの肩にウクライナ支援がのしかかる。ヨーロッパ主要国はロシアの攻勢を凌ぎ、戦争を「凍結」にもちこむシナリオを描く。
 プーチンは新たな動員令を発出し、ウクライナ北東部に位置する第二の都市ハルキウや黒海の港湾都市オデーサを狙い、首都キーウにも再侵攻してくるかもしれない。
 これはウクライナの安全保障当局の見立てだ。米欧の武器支援が細ったことでウクライナ軍は深刻な弾薬不足に陥り、東部の要衝アウディーイウカから撤退した。ロシア軍はじりじりと東部で支配地域を広げると同時に、ハルキウやオデーサ、キーウへのミサイル攻撃を激化させている。
 二〇二二年に全面侵攻に乗り出し、短期間にウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー政権を転覆させようとしたプーチンの目論見は失敗した。それでもウクライナ支配というプーチンの狙いは変わっていない。
 西側の軍事関係者・・・