日本の科学アラカルト 164
あらゆる場所で活躍 「磁石研究」が秘める可能性
2024年4月号
バッテリー電気自動車(EV)や燃料電池EVのみならず、各種ハイブリッド車でさえも直接駆動力を生み出す肝となるのは、モーターである。EVで多く使われるブラシレスモーターでは、回転するローターに永久磁石が使われ、その周囲のコイルに流れる電流を制御することで回転スピードをコントロールする。この場合、磁石は強ければ強いだけ良い。
ローターに永久磁石を使わないタイプのモーターもある。しかしいまだに永久磁石が根強く使われるのは、出力などのバランスに優れているからだ。
その一翼を担っているのが、世界一強力であるネオジム磁石なのは有名だろう。旧・住友特殊金属に勤務していた佐川眞人氏(大同特殊鋼顧問)が1982年に開発したことで知られる。佐川氏をはじめ、世界中の研究者がいまだにネオジム磁石の改良や、新たな画期的永久磁石の開発に取り組んでいる。
ネオジム磁石が抱える大きな課題の一つが、その名をみればわかる通り、「ネオジム」という物質を使うという点だ。希土類(レアアース)の一種であり、中国が生産量の六割を占める。これが地政学的なリスクとなっており、磁石研究の重要なテーマ・・・
ローターに永久磁石を使わないタイプのモーターもある。しかしいまだに永久磁石が根強く使われるのは、出力などのバランスに優れているからだ。
その一翼を担っているのが、世界一強力であるネオジム磁石なのは有名だろう。旧・住友特殊金属に勤務していた佐川眞人氏(大同特殊鋼顧問)が1982年に開発したことで知られる。佐川氏をはじめ、世界中の研究者がいまだにネオジム磁石の改良や、新たな画期的永久磁石の開発に取り組んでいる。
ネオジム磁石が抱える大きな課題の一つが、その名をみればわかる通り、「ネオジム」という物質を使うという点だ。希土類(レアアース)の一種であり、中国が生産量の六割を占める。これが地政学的なリスクとなっており、磁石研究の重要なテーマ・・・