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連載

新大学評判記 第52話

岡山大学医学部 令和版「白い巨塔」只今上演中

2024年4月号

 岡山大学医学部は古い伝統があり、我が国を代表する医育機関の一つであると言っていい。その医学部を巡り、同大学の元学長が前学長を公然と批判する前代未聞の事態になっている。二人は医学部出身。大学病院運営を巡る確執がある。前学長の独善体質、問題行為も浮上した。前学長の息がかかった現学長も医学部出身。その動きに疑問符が付いている。岡山藩医学館、旧制第三高等学校医学部の流れをくむ「名門」には、黄昏を迎える気配すら漂っている。
 元学長は2011〜17年に第十三代学長を務めた森田潔氏(麻酔科)。前学長は2017〜23年に第十四代学長を務めた槇野博史氏(第三内科)である。
 森田氏は、岡山大学病院を別法人化し、同病院を中核として近隣病院を包括した「岡山大学メディカルセンター(OUMC)」を構築しようとしていた。槇野氏は学長選考では推進を表明したが、就任すると態度を豹変させた。「日赤や済生会など、周辺施設との調整があり、実現には強い指導力がいる」(関係者)ため、槇野氏には荷が重かったのが真相という。森田氏にとっては面白くなかった。
 森田色一掃を目指した槇野氏は要職に側近・・・