米国同盟の崩壊
日欧韓が直面する一大事
2024年3月号特別リポート
米国が自由主義陣営の間に築いてきた同盟網が、大きな危機を迎えている。米欧の北大西洋条約機構(NATO)、日米同盟、米韓同盟などについて、今年11月の大統領選で勝利を目指すドナルド・トランプ前大統領が、米国の同盟網の解体や廃止を示唆しているからだ。前大統領は2月、防衛費を十分に支出しないNATO加盟国について、ロシアに攻撃されても「我々は守らない」と言明した。
ジョー・バイデン大統領はこれに反発し、再選されれば世界中の同盟を堅持・強化すると明言した。しかし、日欧韓の主要同盟国は近年それぞれ、大統領の民主党政権から、自国の負担を激増させるよう求められている。換言すれば、米国の同盟網にとっては、米国の撤退はすでに始まっており、民主党、共和党のどちらが勝っても、民主主義陣営全体の弱体化を止められないということだ。
「国防費2%」に焦るNATO
このところ、国際ニュースが忙しい。2022年以降続いているウクライナ戦争に加えて、昨年秋にはイスラエルとイスラム組織「ハマス」の間で戦争が勃発した。イランが支援・・・
ジョー・バイデン大統領はこれに反発し、再選されれば世界中の同盟を堅持・強化すると明言した。しかし、日欧韓の主要同盟国は近年それぞれ、大統領の民主党政権から、自国の負担を激増させるよう求められている。換言すれば、米国の同盟網にとっては、米国の撤退はすでに始まっており、民主党、共和党のどちらが勝っても、民主主義陣営全体の弱体化を止められないということだ。
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