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経済

あおぞら銀行に 再び「公的資金」か

最終赤字「甘い予想」と苦い現実

2024年3月号

 金融当局筋の間では「公的資金再注入に向けた準備を整えておいた方が賢明かも」といった声まで飛び交う。半ば冗談だが、残り半分は無論、本気だ。
 あおぞら銀行が2024年3月期決算で最終赤字に転落する。2月初旬、今3月期の業績予想を下方修正。これまで240億円の黒字としていた連結最終損益が一転、280億円の赤字(前期は87億円の黒字)に陥ると発表した。第3四半期と期末の配当は見送る。赤字となるのはリーマンショック直後の09年3月期以来15年ぶり。しかも場合によっては「さらに若干の損失が出るかも知れない」(谷川啓社長)という、何とも先行き不透明な状況だ。
 これで食い潰されることになるのが自己資本だ。あおぞら銀は国内基準行だが、国際的な新たな自己資本比率規制の枠組みであるバーゼルⅢ準拠。普通株式等Tier1(CET1、コアTier1)比率で7%以上が求められるし、自身も7%維持を目標に掲げる。それが今回の赤字計上で3月末には6.6%(前年3月末7.4%)にまで悪化する見通しとなってきたのだ。
 ただ仮に公的資金を注入するにしても、国が銀行の発行する優先株を引き受・・・