「資産運用立国」 熱狂の危うさ
金融界の「治らぬ悪弊」に御用心
2024年3月号
空前絶後のお祭り騒ぎだ。年初開始の新NISAが爆発的な人気である。岸田文雄政権が打ち上げた「資産運用立国」に向け、大きな起爆剤となっている。今後、資産運用が日本でしっかりと根付いていくためには、厳格な制度運営、業界の自主チェックが従来にも増して求められる。しかし、証券業界の旧態依然の論理でシロクロはっきりさせない資本市場が、いまだにある。その先をいく新たな個人投資家とのギャップは埋めがたい状況である。
新NISAについて、かつてのバブル経済を経験したことのない証券会社の中堅以下の社員は興奮を隠さない。「チラシはいくら刷ってもなくなっていく」と話す。販売を巡り先行しているのはSBI証券、楽天証券のネット専業大手二社だ。両社はそれぞれメガバンクグループと提携している。
SBI証券には三井住友銀行からの顧客紹介と、デジタル決済チャネル「Olive」との仲介業提携に基づいて、同チャネルを通じて個人投資家が流入している。楽天証券はみずほ証券と資本業務提携に動いたが、この大きなヤマ場までに提携モデルを構築しきれなかったため、やや後れをとった。
後塵を拝したのは・・・
新NISAについて、かつてのバブル経済を経験したことのない証券会社の中堅以下の社員は興奮を隠さない。「チラシはいくら刷ってもなくなっていく」と話す。販売を巡り先行しているのはSBI証券、楽天証券のネット専業大手二社だ。両社はそれぞれメガバンクグループと提携している。
SBI証券には三井住友銀行からの顧客紹介と、デジタル決済チャネル「Olive」との仲介業提携に基づいて、同チャネルを通じて個人投資家が流入している。楽天証券はみずほ証券と資本業務提携に動いたが、この大きなヤマ場までに提携モデルを構築しきれなかったため、やや後れをとった。
後塵を拝したのは・・・