２月１５日の昼下がり。国会議事堂と道路を一つ隔てた衆院議員会館にあの男が、姿を現した。金権政治をバッサリと斬る歯に衣着せぬ発言が話題を呼び、「羽鳥慎一モーニングショー」や「ミヤネ屋」など、民放のワイドショーで見ない日はないほど超売れっ子となった前明石市長の泉房穂である。
　この日は、テレビ出演や夜に予定されていた山口県周南市での講演の合間を縫って、立憲民主党議員らと「打ち合わせ」のため立ち寄ったのだ。
　泉は、２００３年の総選挙で兵庫二区から民主党公認で出馬し、比例復活で当選したことがあり、「馬淵澄夫や原口一博らベテラン議員と親しい」（立憲民主党関係者）という。
　この情報は、瞬く間に永田町を駆け巡り、自民党の選挙対策関係者は、「とうとう動き出したか」と警戒感を隠さなかった。
　市長時代に福祉政策の充実と、こどもの医療費無料化など積極的な子育て政策を推進して人口増に転じさせた実績を引っ提げ、国政に殴り込みをかけるのでは、との臆測が広がった。
　出馬が想定される選挙区は、彼が市長を務めた明石市を含む衆院兵庫九区だ。
　同区はこ・・・