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社会・文化

増え続ける「読書時間ゼロ」の若者

思考力低下で衰退する社会

2024年2月号

「一日の読書時間がゼロ」の小・中・高校生が49.0%と約半数に達した、という調査が教育界だけでなく、経済界にも衝撃を与えている。ビジネス現場で、文章による指示や状況説明の理解力が低い若年層が増えているとの認識があり、その原因が読書経験の乏しさからくると解釈できるからだ。子供の読書時間を侵食しているのは、ネットでの動画視聴など情緒に訴えかける情報摂取。読書のように意味やストーリーを主体的に考えて追う経験が減れば、日本の若者が論理的思考力を身につける機会を失っていく懸念がある。
 調査は東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が共同で実施した「子どもの生活と学びに関する親子調査」「子どものICT利用に関する調査」の一部。2万組のモニターに郵送・ウェブで調査したもので2015年から毎年実施している。
「一日の読書時間がゼロ」は小学1年生(小3までは両親が代理回答)が25.5%と最も低く、学年が上がるにつれ右肩上がりに増加、高校3年生では69.8%に達した。高校生は大学受験の勉強に忙しく、読書どころではないという要因もないわけではないが、スマホ利用が本格化する中高生ほ・・・