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経済

能登地震で「無能」の電力会社

長期停電と原発事故の瀬戸際

2024年2月号

 停電の少なさを世界に誇ってきた日本の電力インフラに、実は致命的な弱点があったことが能登半島地震で露呈した。停電解消ペースは過去の東日本大震災や熊本地震よりも大幅に遅く、地震発生から3週間がたつ1月22日になっても能登半島先端、奥能登と呼ばれる地域の約5600戸に電気が届かなかった。一方、あらゆる巨大地震に耐えるはずだった原子力発電所は、ノーダメージどころか、原発災害を防ぐのに欠かせない設備に損傷が発生している。地震大国ニッポンが、無情な現実を突きつけられている。
 1月26日時点の石川県内の停電戸数をみると、輪島市が約2000戸、珠洲市が約1500戸となっており、能登半島の北側に集中していることが分かる。被害地域では25日の段階で電柱傾斜が約1840本、電柱折損が約460本、断線・混線が約1100カ所あったことが判明している。張り巡らされた配電設備が地震の揺れで被害を受け、電力網が寸断されたことにより、停電発生へと至った。
 電力業界は北陸電力とそれ以外の各社の応援を含め、一千人規模の復旧部隊を組成している。しかし、多方向から支援ができた東北や熊本と異なり、能登半・・・