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社会・文化

感染症が「連続流行」する一年

高齢者「命取り」の疾患に要注意

2024年1月号

 世界中で感染症の流行が深刻になっている。日本でもすでに広がりを見せているが、「二〇二四年はさらに大流行する可能性が高い」と感染症専門医は警告する。その原因として、収束しつつあるコロナパンデミックが密接に関係しているとみられる。集団免疫の低下に加え、コロナ感染の後遺症として免疫力が低下することが分かってきた。世界では、この点に注目した研究が活発化しているが、日本では議論が進んでいないのが現状である。
 日本ですでに大流行している感染症の一つが咽頭結膜熱だ。二三年夏から現在まで感染拡大が続く。第四十七週(十一月二十~二十六日)の一医療機関あたりの患者報告数は全国で三・五だ。全国平均が警報レベルの三・〇を超えるのは、一九九九年に現行の感染症法が施行されてから初めてのことだ。
 咽頭結膜熱はアデノウイルスによる感染症で、冬季に小流行することはあるが、基本的には夏の病気だ。プールで感染することが多いと考えられたため、プール熱とも呼ばれた。このまま感染拡大が続けば、二四年夏の流行は未曾有の規模になりかねない。
 国立感染症研究所は十九の感染症をモニターしているが、エ・・・