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経済

阪急阪神が抱える「宝塚」の闇

「女性奴隷」で稼ぐ前時代企業

2024年1月号

 神戸線と今津線が交わる西宮北口駅は、阪急電鉄のターミナルだ。駅を出て少し歩くとショッピングモール「阪急西宮ガーデンズ」が現れる。多くの人気店舗が集まり、週末ともなれば買い物客でごった返すこの場所には、かつて野球場があった。「西スタ」という愛称で呼ばれた阪急西宮スタジアムは、プロ野球・阪急ブレーブス(現オリックス・バファローズ)の本拠地だ。阪急の創始者である小林一三が生前、「どんなことがあっても手放すな」と厳命していたという球団は一九八八年に身売りされた。小林がもうひとつ執着していたのが、西宮北口駅から今津線で繋がる宝塚に本拠地を置く「宝塚歌劇団」だった。
 その宝塚の劇団員の死を震源とする問題は大きくなる一方だ。当初、黙殺を決め込んだことが仇となり、阪急電鉄や親会社である阪急阪神ホールディングス(HD)にも影響が広がる。上場企業の集団である阪急阪神東宝グループが芸能部門を抱えること自体がリスクとして顕在化しつつあるのだ。

阪急電鉄が抱える「聖域」

「せっかくタイガースの日本一に沸いているのに&he・・・