三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

経済

米国「利下げ」で何が起こるか

二四年相場「波乱」の読み筋

2024年1月号

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の「事前に酒でも飲んだかと思うほどのハト派への急変ぶり」に市場は混乱した。二〇二三年十二月十三日の連邦公開市場委員会(FOMC)で現状の五・二五~五・五%の政策金利を据え置くことを発表した。事実上の利上げ終了宣言。
 市場では、二四年に五~六回の利下げが見込まれている。米国を含めて多くの国で「利下げの年」になることは間違いない。それは株式市場にとって何を意味するのか。二四年の相場を予測してみよう。
 発表を受け、ドル安が進行し、株式市場は「弱気を狩る相場」に。市場はFRBが二四年に利下げを三回行う見通しを示したことを歓迎し、リスクオン(選好)一色となった。
 一九九〇年以降にあった過去六回の利下げ局面と株価の関係を振り返ってみる。
 それぞれ株価の大天井をつけたタイミングを利下げ開始と照らし合わせると、次の通りだ。
 ①パンデミック前(利下げ開始の七カ月後)②リーマンショック(同一カ月後)③ITバブル崩壊(同九カ月前)④アジア通貨危機(同二カ月前)⑤九五年のソフトランディング(なし、株価は上・・・