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政治

《罪深きはこの官僚》千原由幸(文部科学省研究開発局長)

核融合「トンデモ有識者会議」を主導

2024年1月号

「旧科学技術庁の役人は、ほかの官僚とも違う生物。よくも悪くも世事に疎い」
 文部科学省の関係者はこう語る。同省では今、とある有識者会議について、研究開発局トップ、千原由幸が責任者として批判されている。千原もまた、「浮世離れした典型的な科技庁官僚」(全国紙記者)だ。関東の国立大学で素粒子の研究をする教授は憤る。
「有識者会議の問題点が凝縮されたような、余りにひどい人選だ」
 核融合の挑戦的な研究の支援の在り方に関する検討会―。二〇二三年六月に文科省が設置したものだが問題はそのメンバーである。大学教授や企業経営者に交じって、村木風海の名前がある。二〇〇〇年生まれの村木はわずか二十三歳で有識者会議に名を連ねた。
 問題は若さではなく村木の「実績」だ。村木は、空気中から二酸化炭素を直接回収する「ひやっしー」という装置を高校生のときに開発し、メディアで取り上げられた人物。スーツケース状の装置に取り込んだ大気を、内部の水酸化ナトリウム水溶液に通すと、二酸化炭素が吸収される。「温室効果ガスを回収するから、地球を冷やせる」と説明している。しかしその原理は中学や高・・・

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