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WORLD

中国を蝕む 「デフレ長期化」

世界経済はさらなる暗転の年に

2024年1月号

 中国経済が停滞からデフレへ移行し始めた。二〇二三年十一月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比〇・五%のマイナスと、コロナ感染まっただ中の二〇年十一月以来の落ち込みだ。不動産市場の崩壊、個人消費の冷え込みに加え、中国の宿痾とも言えるほとんどの産業分野における過剰生産能力が重くのしかかっている。米中対立の先鋭化で主要国向け輸出の先行きは暗く、国外での需要開拓を狙った「一帯一路」の挫折も響く。主要国が今なおインフレ退治に躍起になるなかでの中国デフレの深まりは異様だが、中国の国内需要減少と低価格製品輸出のドライブによって、世界がデフレにはまる懸念は否定できない。
 二カ月連続のマイナスとなった十一月のCPIはマイナス〇・一~〇・二%という市場関係者の事前予想を大きく上回り、市場に衝撃を与えた。だが、中国専門のエコノミストがより注目したのは生産者物価指数(PPI)が前年同月比マイナス三%の落ち込み、十四カ月連続のマイナスとなった点だった。
 消費者が豚肉を買い控え、外食を減らす〝降級消費〟に走ればCPIが落ちるのは当然だが、PPIのマイナスは習近平政権が二三年夏以降、力を・・・