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中東紛争悪化を狙う「新枢軸」

ロシア・サウジ・イラン「欲望の結託」

2024年1月号

 ロシア、サウジアラビア、イランがガザ情勢を利用して悪巧みを企て、新たな「枢軸」を形成している。
 ロシアはウクライナ侵攻により戦費がかさみ、サウジは国家戦略、ビジョン2030のバラマキ事業で慢性的な資金不足に陥っている。追い打ちをかけるように、原油価格は二〇二三年九月末の一バレル九十ドル台から急下降し、十二月には七十ドル台をさまよい始めた。ロシアとサウジはともに原油価格の低下に苦しんでいる。
 同年十二月、プーチン大統領はサウジとアラブ首長国連邦(UAE)に日帰りで訪問し、その後、モスクワでイラン大統領を迎えた。プーチン大統領のサウジとUAEの訪問は、ウクライナ戦争後、初であった。大統領選に向けた見せ場となるにもかかわらず、異様なとんぼ返りを見せた。大慌ての外遊の理由は何だったのか。
 プーチン大統領は、サウジのムハンマド皇太子と協調減産について話し合ったようだが、中東のメディア関係者は、「ロシアは中東で火種が増え石油価格が高騰することを望んでいる。サウジとも何か調整する必要があったようだ」と内情を打ち明ける。
 その後、プーチン大統領とイラン・・・