《 世界のキーパーソン》
ハビエル・ミレイ(アルゼンチン新大統領)
2023年12月号
南米アルゼンチンは、マラドーナやメッシといったサッカーのスーパースターで世界に知られている。今年の大陸選手権「コパ・リベルタドーレス」決勝も、同国のボカ・ジュニアーズとブラジルのフルミネンセの対決となり、国内は大いに盛り上がった(結果はフルミネンセ優勝)。
経済学者にとっては、この国は世界一、浮き沈みが激しい国だ。国土は肥沃で、二十世紀の初めには農業超大国だった。第二次世界大戦の前には、様々な経済指標で世界のトップ10に入っていた。日本が一人当たりのGDPでこの国を抜くのは、一九六〇年代初頭のことだ。
アルゼンチンの凋落について、圧倒的多数の国民と国際機関は「歴代の政府が悪い」と考えている。国民の人気を得ようと、野放図なバラマキを行い、借金が膨らんでバブルがはじける、という繰り返しだった。左派、右派に限らず、軍事政権も同じことをした。
アルゼンチンは、経済ランキングをずるずると滑り落ちた。「先進国から発展途上国に転落した史上唯一の国」という、不名誉な評価をされたこともある。現在のランキングでは、GDPが二十位台。一人当たりのGDPでは、六十位台であ・・・
経済学者にとっては、この国は世界一、浮き沈みが激しい国だ。国土は肥沃で、二十世紀の初めには農業超大国だった。第二次世界大戦の前には、様々な経済指標で世界のトップ10に入っていた。日本が一人当たりのGDPでこの国を抜くのは、一九六〇年代初頭のことだ。
アルゼンチンの凋落について、圧倒的多数の国民と国際機関は「歴代の政府が悪い」と考えている。国民の人気を得ようと、野放図なバラマキを行い、借金が膨らんでバブルがはじける、という繰り返しだった。左派、右派に限らず、軍事政権も同じことをした。
アルゼンチンは、経済ランキングをずるずると滑り落ちた。「先進国から発展途上国に転落した史上唯一の国」という、不名誉な評価をされたこともある。現在のランキングでは、GDPが二十位台。一人当たりのGDPでは、六十位台であ・・・