「二つの戦争」米国の大罪
無力な傍観者「老バイデン」
2023年12月号
米国のジョー・バイデン大統領が、中東とウクライナで隘路にはまり込んでいる。ウクライナでは、ロシア軍をほとんど押し返せないまま新たな冬を迎え、中東ガザでは人的犠牲が積み重なるのを傍観しているだけだ。
どちらの戦場でも、米政府の情報力や外交努力に「重大な欠陥がある」との指摘が上がっている。中東ではイスラム原理主義組織ハマスの動きを全く察知できず、ウクライナではロシアのウラジーミル・プーチン大統領が核兵器などで暴走することを恐れている。
「米国は無力」という印象が定着すれば、ロシアはもとより中国やイランまで、行動が大胆になっていく。世界最強の米軍がかかわらないまま、各地の紛争を収めようとすれば、冒険主義勢力を勢いづかせる。バイデン政権は、国際関係の将来に禍根を残す「大罪」の瀬戸際に立たされている。
米安保政策トップの慢心と油断
今年九月二十九日。米国の首都ワシントンのウォーター・フロントで、外交史の研究者たちにとって、長く後世に語り継がれるだろうイベントがあった。米国の高級誌「ジ・アトラン・・・
どちらの戦場でも、米政府の情報力や外交努力に「重大な欠陥がある」との指摘が上がっている。中東ではイスラム原理主義組織ハマスの動きを全く察知できず、ウクライナではロシアのウラジーミル・プーチン大統領が核兵器などで暴走することを恐れている。
「米国は無力」という印象が定着すれば、ロシアはもとより中国やイランまで、行動が大胆になっていく。世界最強の米軍がかかわらないまま、各地の紛争を収めようとすれば、冒険主義勢力を勢いづかせる。バイデン政権は、国際関係の将来に禍根を残す「大罪」の瀬戸際に立たされている。
米安保政策トップの慢心と油断
今年九月二十九日。米国の首都ワシントンのウォーター・フロントで、外交史の研究者たちにとって、長く後世に語り継がれるだろうイベントがあった。米国の高級誌「ジ・アトラン・・・