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経済

上場廃止「MBO」続出の理由

敵対的買収時代の「副作用」

2023年12月号

「まさに狂乱状態」―。
 マーケット関係者がそう驚くのが十一月のMBO(経営陣が参加する買収)の多さだ。同月にMBOを発表した企業の数は判明分だけで既に七件。過去十年をみると、年間MBO件数が最も多かった二〇二一年ですら約二十件。だいたい年に十件あるかないかというペースだっただけに、一カ月で七件というのは異常事態だろう。
 さらに一部報道で、ドラッグストアチェーン大手のツルハホールディングス(HD)もMBOを検討と報じられた。ツルハHDの時価総額は六千億円あまりで、MBO実行となれば過去最大案件の一つになるのは間違いない。
 十一月にMBOを発表した企業の顔ぶれを見ると、名が知られた企業も多い。「リポビタンD」で知られる大正製薬HD、「進研ゼミ」のベネッセHD、かつてはカラオケ事業で一世を風靡した給食事業のシダックス、鍵開けや水回りトラブルを早急に解決する「生活救急車」を展開するジャパンベストレスキューシステム(JBR)などは世話になった読者も多いはずだ。
 そもそもMBOとはなにか。英語で言う「マネジメント・バイアウト」を略したもので、文字通り・・・