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経済

NTT「テレビ局買収」への邪欲

澤田と甘利が狙う「言論支配」

2023年12月号

「なんだ、これは」と、提言の原案を見たある自民党議員は言下に吐き捨てた。
「まるで役所の文章だ。ゴーストライターはNTTだろ!」
 政府に三分の一以上の出資を義務付けている日本電信電話(NTT)法―。その在り方を検討している自民党のプロジェクトチーム(PT)は十一月下旬、同法の「廃止」を提言した。しかし、検討の端緒だった防衛費倍増構想の財源探し、すなわち政府が保有する時価五兆円規模のNTT株の売却収入を、防衛費に充てる方針は跡形もない。
 さもありなん。提言が〈防衛財源の捻出という視点を大きく超えて、NTT法の在り方について検討した〉と、NTTの修文による欺瞞を繰り返している通り、自民党PTは羊頭狗肉。八月の設置当初から同法廃止が目的だったのだ。
 仕掛け人は本誌十一月号が報じた通り、PT座長を務める商工族の重鎮・甘利明、その寵臣だった経済産業省出身のNTT副社長・柳瀬唯夫、そして最大の黒幕であるNTT会長の澤田純。この三人に対する義憤は自民党内にも募っている。が、翻って事態をめぐるテレビ、新聞の反応は愚鈍と言えるほどお粗末だ。ある通信関係者は言・・・