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経済

《企業研究》三井不動産

都心乱開発で「読売」と共謀

2023年12月号

「一体いつまで続けるのか」
 三井不動産が築地市場跡地の再開発事業に名乗り―などとメディアで報じられた今年八月末。三井不グループの一部からはこんな呆れ返る声も上がった。
 グループ内には再開発案件が渦巻いている。「ヒトもカネも目一杯」(関係者)の状態だ。景観や環境保全の観点から反対運動が沸き起こっている明治神宮外苑の再開発事業など、問題含みのプロジェクトも少なくない。こうした騒動の解決や処理にメドが立っていないにもかかわらず、次の大型開発に取り掛かろうというのだ。金融筋の一人も「三井不は再開発案件を抱え過ぎ」として、そののめり込みように危うさを指摘する。
 六月には米格付会社のS&Pグローバル・レーティングから格下げを喰らった。長期発行体格付をシングルAマイナスへとこれまでより一段階落とされたのだ。「積極的な開発投資や不動産取得に対し、売却などによる資金回収が十分に進んでいない」ことが理由だ。さらにボラティリティの大きい不動産開発事業への利益面での依存度が高まっていることも格下げ要因の一つに挙げた。
 実際、開発事業への傾斜に伴い借金は猛烈な勢い・・・