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政治

岸田零落の元凶 「森山と元宿」

「解散風」で振り回す老害二人

2023年12月号

 火が消えた炉に、「まだ燃える」とふいごで風を送り続けるように、この一年、衆議院の解散総選挙が近いと思わせる「解散風」を吹かせてきた二人が、今も懲りずに「年内解散はあり得る」と吹聴する。自由民主党総務会長の森山裕と、同党事務総長で非議員の元宿仁である。「解散風」のせいで代議士は地元ばかり気になって国会審議は上の空、打ち出す政策はポピュリズムに染まった筋悪ばかりという悪循環を生み出した反省は、かけらも見られない。
 朝日新聞、読売新聞が揃って「年内解散見送りへ」と報じた十一月九日朝、総理大臣・岸田文雄は記者団の質問に、「従来から申し上げている通り、経済対策、先送りできない課題に一意専心取り組む。それ以外は考えていない」と述べ、念を押すように「従来から申し上げている通り」と繰り返した。
 この発言を受け、メディアは「年内解散見送りを表明」と伝えた。あたかも追い込まれて解散を断念したと言わんばかりの報道ぶりに、岸田は「俺は何も言っていないのに、何でこうなるのか」と周辺に不満をぶちまけた。
 確かに、通常国会の会期末が近づいた五月末から六月にかけて岸田が見せた思わ・・・