中国がカナダ・豪州に「謀略工作」
西側同盟「分断」で手段選ばず
2023年12月号
中国の習近平政権が、米国の重要な同盟国であるカナダとオーストラリアに激しい揺さぶりをかけている。
人権や民主主義の問題で、加・豪両国政府が中国を批判したことが直接のきっかけとされるが、日本や米国と緊密な両国を力で圧迫しようという、露骨な「イジメ外交」だとの見方が、西側識者の間で広がっている。
加・豪両国は、日米のインド太平洋戦略の重要なパートナー国だけに、強引な中国の外交手法に対して、周辺民主主義国が合同で対処する必要も高まっている。加・豪両国は米英が加わる情報共有枠組み「ファイブ・アイズ」の加盟国でもあり、国際諜報戦の最前線に置かれることになってしまった。
在外中国系住民に猛烈な圧力
今年九月、ワシントンの米議会で、カナダの有力政治家を招いた珍しい公聴会が開かれた。米政府・議会合同の「中国問題に関する連邦議会・行政府委員会」が主催したもので、カナダ保守党(野党)で、「影の外相」を務めるマイケル・チョン氏が証人となった。
チョン氏の父親は香港生まれの中国系で、母親はオラ・・・
人権や民主主義の問題で、加・豪両国政府が中国を批判したことが直接のきっかけとされるが、日本や米国と緊密な両国を力で圧迫しようという、露骨な「イジメ外交」だとの見方が、西側識者の間で広がっている。
加・豪両国は、日米のインド太平洋戦略の重要なパートナー国だけに、強引な中国の外交手法に対して、周辺民主主義国が合同で対処する必要も高まっている。加・豪両国は米英が加わる情報共有枠組み「ファイブ・アイズ」の加盟国でもあり、国際諜報戦の最前線に置かれることになってしまった。
在外中国系住民に猛烈な圧力
今年九月、ワシントンの米議会で、カナダの有力政治家を招いた珍しい公聴会が開かれた。米政府・議会合同の「中国問題に関する連邦議会・行政府委員会」が主催したもので、カナダ保守党(野党)で、「影の外相」を務めるマイケル・チョン氏が証人となった。
チョン氏の父親は香港生まれの中国系で、母親はオラ・・・