中国人と日本人は「そっくり」になる
加藤 徹(明治大学法学部教授)
2023年11月号
―「中国の日本化」という言葉についてどう見ていますか。
加藤 いい意味では使われておらず、あまり同意できない。ただし、中国の若者は、日本の若者と気質が似通ってきている。日本の文系の大学院には本当に中国人留学生が多く、私の授業の大学院生もほとんどが中国人ばかり。かつては日本に留学する中国人は特別な層の人間が多かったが、今は「普通の中国人」が来ている。こうした日本で学ぶ中国の若者の本音を見ると、たとえば三十年後の中国がどのような性質を持つ社会になるか予測できる。現在のZ世代と呼ばれる層が同じような思考をするのだから将来、日本は中国に似て、中国は日本に似るだろう。
―なぜ両者は似るのでしょう。
加藤 良くも悪くも余裕があり、満たされているからだ。今の日本で、自分が将来餓死すると考える若者はあまりいないが、中国も同じ。田舎に行っても最低限度の暮らしは続けられる。三十年前の中国ではそうはいかない。「非正常死亡」という言葉がある・・・
加藤 いい意味では使われておらず、あまり同意できない。ただし、中国の若者は、日本の若者と気質が似通ってきている。日本の文系の大学院には本当に中国人留学生が多く、私の授業の大学院生もほとんどが中国人ばかり。かつては日本に留学する中国人は特別な層の人間が多かったが、今は「普通の中国人」が来ている。こうした日本で学ぶ中国の若者の本音を見ると、たとえば三十年後の中国がどのような性質を持つ社会になるか予測できる。現在のZ世代と呼ばれる層が同じような思考をするのだから将来、日本は中国に似て、中国は日本に似るだろう。
―なぜ両者は似るのでしょう。
加藤 良くも悪くも余裕があり、満たされているからだ。今の日本で、自分が将来餓死すると考える若者はあまりいないが、中国も同じ。田舎に行っても最低限度の暮らしは続けられる。三十年前の中国ではそうはいかない。「非正常死亡」という言葉がある・・・