日本の科学アラカルト 159
リチウムイオン電池を凌ぐ 「空気電池」の可能性
2023年11月号
空気電池―。大気中の酸素を正極の活物質として使う電池のことである。
酸素を活物質として使う電池といえば、いわゆる「燃料電池」が有名だ。ごく基礎的な燃料電池では、正極で酸素ガスが電子を受け取って酸素イオンとなり(還元反応)、負極では水素ガスが電子を放出して水素イオンとなる(酸化反応)。最終的に酸素イオンと水素イオンが結合して、水分子に。酸素は充分にあるため、「燃料」として負極に水素ガスを送り続ければ発電が継続し、水だけが排出される。
実際にはこれ以外にも、空気電池はある。正極での反応は前述した燃料電池と同じだ。負極には金属を使い、電子を放出させて、最終的に金属酸化物ができる反応が進んでいく。そのため空気電池は、「金属空気電池」とも呼ばれる。
空気電池にはメリットが多くある。特筆すべきはそのエネルギー密度だ。通常の電池の内部には、正極材料と負極材料が一定量入っている。しかし空気電池の場合、正極側の反応物質は空気中の酸素のため、内部に溜めておく必要がない。代わりに負極材料を多く入れられるので、内部のエネルギーの量が多くなる。
身の回りで最も多・・・
酸素を活物質として使う電池といえば、いわゆる「燃料電池」が有名だ。ごく基礎的な燃料電池では、正極で酸素ガスが電子を受け取って酸素イオンとなり(還元反応)、負極では水素ガスが電子を放出して水素イオンとなる(酸化反応)。最終的に酸素イオンと水素イオンが結合して、水分子に。酸素は充分にあるため、「燃料」として負極に水素ガスを送り続ければ発電が継続し、水だけが排出される。
実際にはこれ以外にも、空気電池はある。正極での反応は前述した燃料電池と同じだ。負極には金属を使い、電子を放出させて、最終的に金属酸化物ができる反応が進んでいく。そのため空気電池は、「金属空気電池」とも呼ばれる。
空気電池にはメリットが多くある。特筆すべきはそのエネルギー密度だ。通常の電池の内部には、正極材料と負極材料が一定量入っている。しかし空気電池の場合、正極側の反応物質は空気中の酸素のため、内部に溜めておく必要がない。代わりに負極材料を多く入れられるので、内部のエネルギーの量が多くなる。
身の回りで最も多・・・