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経済

《地方金融の研究》みちのく銀行

青森銀行の「奴隷」となる運命

2023年11月号

「単独で返済しても健全性に問題はないが、地域経済や中小企業支援を安定的に続けていくためには余力を持つことが望ましいと判断した」。みちのく銀行頭取で、同行と青森銀行を傘下に持つ地域金融グループ・プロクレアホールディングス(HD)の副社長を兼務する藤澤貴之はこう打ち明ける。
 プロクレアHDが二〇二四年九月を償還期限とした公的資金の前倒し返済に踏み切った。整理回収機構が保有する優先株百八十四万株を今年九月二十二日付ですべて自己株取得、消却した。約一年の前倒しである。
 整理回収機構が優先株増資を引き受ける形でみちのく銀に公的資金二百億円が注入されたのは〇九年九月。リーマンショックによる業績悪化で毀損した資本基盤を修復するのが狙いだった。そのみちのく銀が同じ青森県を地盤とする青森銀と共同持株会社・プロクレアHDを設立、株式移転方式で経営統合したのは二二年四月だ。同一都道府県内の大規模地銀同士の再編に道を開く、独占禁止法特例法の適用第一号だった。
 しかし藤澤はその後もマスコミ紙誌のインタビューなどで「公的資金は返済期限ぎりぎりまで使わせてもらう」と強調。前倒し返・・・