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経済

《クローズ・アップ》小林 敏也(京成電鉄社長)

武闘派ファンドに狙われた「素人」

2023年11月号

「とうとう猛犬に噛みつかれたか」。多くの資本市場関係者がそう思っているのは、京成電鉄の小林敏也社長だ。英国に本拠を置くアクティビストのパリサー・キャピタルが十月、京成に対して保有するオリエンタルランド(OLC)株の売却を求めた。パリサーは京成の株を一・六%保有しているという。
 パリサーとは世界で最も獰猛なアクティビスト、エリオット・マネジメントの香港責任者だったジェームズ・スミスが、二〇二一年に立ち上げた新しいアクティビストファンド。エリオットはアルゼンチンなどの国家にすら戦いを挑んできた武闘派だが、「パリサーもその系譜に名を連ねることになるだろう」(国内大手証券幹部)。難敵に噛みつかれた小林だが、同情の声はほぼ聞かれない。「あまりにもパリサーの要求が正論すぎる」(大手機関投資家)からだ。
 京成はOLCの株を約二割持つ筆頭株主。だがOLCとのシナジーはほぼないとして、パリサーはOLC株を一五%未満に引き下げるよう求めた。確かに京成の電車は東京ディズニーリゾートの玄関口の舞浜駅に接続すらしていない。
 OLCの時価総額は八兆円を超えるため、京成の保有株は・・・