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北朝鮮を肥やす「戦争特需」

ロシア・ハマス「軍事支援」が活路に

2023年11月号

 北朝鮮は小躍りしているに違いない。イスラム組織ハマスがイスラエルに仕掛けた軍事衝突のことだ。朝鮮中央通信によると、北朝鮮の「国際問題評論家」や「朝鮮・アラブ協会書記長」が早々と軍事衝突を論評した。高い関心の背景には、北朝鮮がほくそ笑む三つの理由が隠されている。
 まず、軍事衝突は、北朝鮮にとって不愉快極まりないバイデン米政権を批判する格好の材料を与えた。朝鮮中央通信が伝えた論評も軍事衝突について「八十年続いた米国の覇権的な中東戦略が招いた必然の産物」と強調した。
 北朝鮮はバイデン政権が続く限り、米朝協議を再開させる気はない。中国やロシア、グローバルサウス諸国などを取り込み、米国を逆に包囲する外交を目指している。北朝鮮の消息筋によると、北朝鮮外務省は米朝協議が不調に終わったことを受け、二年ほど前から在外公館に「医療や武器支援など、できる限りの協力と引き換えに、相手国に対して反米闘争に加わるよう工作せよ」という指令を出している。世界ではパレスチナに同情する声も多い。アラブ世界を中心に、北朝鮮は「米国逆包囲外交」の攻勢を強化する見通しだ。

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