世界に広がる生物不毛「死の海域」
漁獲激減「酸素欠乏」が招く惨状
2023年11月号
世界中の海に「死の海域(デッドゾーン)」が広がっている。海水の中の酸素が不足して、多くの海洋生物が生存できなくなる海域のことだ。
二十一世紀になって、海洋学者らが問題を提起し、二〇一九年の第二十五回気候変動枠組条約締約国会議(COP25)=スペイン・マドリード開催=で、酸素濃度の極めて低いデッドゾーンに関する報告書が提出された。
酸素が少ない原因は様々だが、水温上昇で微生物や大型生物の代謝がさかんになり、水中の酸素消費量が増えていることが原因と見られている。水中の酸素が少ない「低酸素海域」は、まさに「デッドゾーン」だ。今では地球の各地で拡大の一途とされ、すでに北米のメキシコ湾やバルト海などで、顕著な影響が観測されている。
地球温暖化と気候変動では、アフリカ大陸などの熱帯で、「生死にかかわる異常高温」が注目されているが、冷涼な北欧や温帯地方でも「デッドゾーン」拡大が喫緊の問題に浮上している。
バルト海からタラが消えていく
バルト海と言えば、日本の食通はタラや大西洋サケ(ア・・・
二十一世紀になって、海洋学者らが問題を提起し、二〇一九年の第二十五回気候変動枠組条約締約国会議(COP25)=スペイン・マドリード開催=で、酸素濃度の極めて低いデッドゾーンに関する報告書が提出された。
酸素が少ない原因は様々だが、水温上昇で微生物や大型生物の代謝がさかんになり、水中の酸素消費量が増えていることが原因と見られている。水中の酸素が少ない「低酸素海域」は、まさに「デッドゾーン」だ。今では地球の各地で拡大の一途とされ、すでに北米のメキシコ湾やバルト海などで、顕著な影響が観測されている。
地球温暖化と気候変動では、アフリカ大陸などの熱帯で、「生死にかかわる異常高温」が注目されているが、冷涼な北欧や温帯地方でも「デッドゾーン」拡大が喫緊の問題に浮上している。
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