米欧に始まった「ソバーキュリアス（選択的非飲酒習慣）」が日本でも静かに広がりつつある。健康へのプラス効果に加え、仕事の生産性向上、余暇時間の増加、飲酒費用の節約など幅広いメリットが認識され始めたからだ。レストランなどアルコール提供が前提のサービス業では「ノンアル飲料」の品揃え拡充とともに料理とのペアリングの工夫が追求されている。米欧ではベジタリアン、ヴィーガンなど動物性たんぱく質を避ける食のマイノリティが多数派の肉食と両立しているように、酒文化とソバーキュリアスの両立は日本に新たな食文化やライフスタイルを生み出す可能性を秘めている。

「しらふ」を貴ぶ

「酔わないを愉しむ」
　日本航空の国内線ファーストクラスのメニューにこんなフレーズが登場した。サントリーのノンアルコールのビール・ワイン、日本コカ・コーラのレモンサワーを提供している。目的地の空港到着後、すぐに車を運転する人向けの意味もあるが、酒を飲むことができても敢えて飲まないという人を意識した新たなサービスだ。日本航空は国際線のビジネスクラスでも・・・